年に一度、全国で活動する地域リフィルが一堂に会し議論するリフィルサミット。
今年度は、2月14日(土)、15日(日)の2日間にわたり、静岡県静岡市にて開催しました。全国15地域から集まったメンバーは、お互いの経験を共有し、戦略を議論し、交流を深めました。
そのハイライトをご報告します。
●地域リフィル会議(1日目午後)
サミットのメイン企画である地域リフィル会議は、静岡市産業交流センター(B-nest)の会議室を会場に、オンライン参加も含め、約30名が参加しました。
事務局からRefill Japan全体の取り組み進捗と、マップ閲覧数等のデータ分析等を共有した後、参加地域がリレー方式で活動報告。
今年度は特に、給水スポット、マイ容器スポットの登録に加え、イベントでの仮設給水機の設置やリユース食器の導入、飲食店でのシェア容器の開始など、新しいチャレンジの報告もあり、各地でリフィルの活動が進化している様子が確認できました。
静岡のお菓子をつまみながらお茶で一服の休憩の後、後半は、ファンドレイズや多世代の参加者の増やし方等、地域に共通の課題を議論。「こうしたらうまくいった」という事例だけでなく、うまくいかなかった経験も共有したことでより実践的な情報共有になったと思います。
そして最後に「リフィルサミット2026静岡宣言(案)」も策定するとともに、この宣言の活用法も話し合いました。
●懇親会(1日目夜)
夜は町中の居酒屋で、駿河湾の鮮魚や桜海老の巨大なかき揚げなどを堪能しながら交流を深めました。
●フィールドトリップ(2日目午前)
2日目朝は静岡市役所前に集合してフィールドトリップに出発。今回は全行程徒歩で静岡の中心部のリフィルスポットと歴史をめぐります。静岡メンバーのお子さん方も参加し、Refill Japanの旗を持って先導してくれました。
途中、信用金庫の横の井戸水の給水スポットを見ながら移動し、創業百年以上の老舗茶問屋・前田金三郎商店が営業する日本茶とお菓子の店「茶町KINZABURO」に到着。マイボトルに日本茶を入れてくれるマイ容器スポットです。
こちらでは茶匠・前田社長によるワークショップを受講。同じ茶葉でも蒸し方や焙煎の有無でどのように変わるか、実際に香りをかいで比べてみて、自分の好みを探る体験をしました。さらに11種類のお茶の飲み比べやお茶のワッフルを味わいながら、おいしいお茶の入れ方のコツなども学びました。
次は山田長政の生誕地としても知られる浅間通り商店街で、2つの給水&マイ容器スポットのお店を訪問。
「リアルフードあくつ」は、地元静岡産を中心とするオーガニックの野菜やお惣菜を販売。本日のお弁当はこちらで竹皮に包んだおにぎり弁当をお願いしています。
そして、昭和23年創業の「静岡おでん・おがわ」は、静岡で知らぬ人はいない名店。真っ黒なだし汁に黒はんぺんなどの具が串にささった静岡のソウルフードは、マイ容器歓迎。ということで、持参したマイタッパーでおでん購入体験するメンバーも。鍋持ち込みで購入するお客さんも多いそうです。
そして、駿府城公園に到着。徳川家康が天下統一した後、大御所時代を過ごした駿府城の跡地です。青空にそびえ立つ家康の銅像前で記念撮影。家康が植えたみかんの木や、葵の紋の植栽の前にある水飲み場等、見所をめぐって東側の門へ。
ちびまるこちゃんのマンホールや歴史博物館をのぞいて、公開セッション会場の商工会議所に向かいました。
●昼食(2日目昼)
リアルフードあくつの竹皮おにぎり弁当と、鍋で持ち帰ったおがわのおでんを温めて、プラスチックフリーでヘルシーな静岡らしいランチタイムを楽しみました!
●公開セッション「ひろげよう!リフィルのまちづくり~銘茶を育む名水の地、静岡から」(2日目午後)
一般来場者を迎えての公開セッションは、静岡が誇るお茶と水を切り口に企画しました。
基調講演は、午前中のワークショップでもお世話になった前田金三郎商店社長の前田富左男さんによる「静岡茶の歴史と魅力」。
静岡にお茶の栽培が始まったのは、中国で修行してきたお坊さんが植えたのが始まりと言われているそうですが江戸時代、徳川家康が大御所時代に駿府城に来てから東海道に面していることもあり、さらに盛んになったそうです。家康の時代に、味の強い里のお茶と香りの強い山のお茶をブレンドする茶町が作られ、現在もこのエリアで同じ生業が続いているのです。
最近は、インバウンドの影響や抹茶人気から、観光で訪れる人も増えています。静岡市やコミュニティとのつながりとして、お茶が納品される際の袋を、海岸清掃で活用いただいているというお話もありました。
基調報告では、(一社)ONE PLANET LABO(Refill Japan全国事務局)の瀨口より、リフィルとは何か、Refill Japanの活動とその展開、リフィル行動による社会へのインパクト等についてお話しました。
続いて、地域からの報告として、カチカチ鳥(Refill静岡)の長岡智美さんより、海岸清掃活動でペットボトルがあまりにも多いことから、元を絶つ活動として、Refill Japanに参加したこと、そして湧水やお茶などの魅力あふれる給水・マイ容器スポットを開拓していること、さらに子どもたちや地域の方々と一緒に新しい「価値」をつくる活動をしていることを報告いただきました。
また、静岡市ごみ減量推進課の大草友子さんから、静岡市のごみ減量の取り組み、その一環として、市の環境ウェブサイト「しぜんたんけんちょう」の中で、Refill Japanのマップや活動を紹介していることもお話いただきました。
静岡茶を飲みながらの休憩時間の後は、全登壇者(前田氏、長岡氏、大草氏、瀨口)によるクロストーク(座談会)でさらに話題を掘り下げました。
まずはお茶について。日本のペットボトル生産量で一番多いのは「お茶飲料」です。そこで、静岡の皆さんのお茶との付き合いについて聞いてみると、会場の皆さんも含めて、「毎日茶葉でお茶を入れる」人が半数以上で、ペットボトルのお茶を買うことがある人はごく少数。小学校でもお茶の入れ方を必ず学び、静岡市に婚姻届けを出すとお茶の業界団体から急須とお茶がプレゼントされるとのこと。茶葉でお茶を入れる生活は当たり前なのです。一方、お茶の農家にとっては、従来の日本茶専門店も、ペットボトルのお茶メーカーも、両方重要な販売先であるという事情があります。そして、昨今の世界的な抹茶ブームは、日本茶の魅力を広めるだけでなく、農家が抹茶生産に切り替えることでお手頃な煎茶の茶葉の高騰しているという悩ましい事態にも。
次に水について。静岡は全国にも誇る名水の地でもあることは知られていますが、
会場の皆さんに聞いても、家庭で水道水をそのまま飲む人が半数以上。井戸水を受かっている家もあり、わざわざペットボトルの水を買う人はこれまた少数でした。
学校でも水筒は持っていきますが、空になったら、普通に蛇口の水道水を入れて飲んでいるそうです。こんな水に恵まれた町ですが、給水スポットは、まだ足りないかな、というのがRefill静岡の実感。
そこで、おいしいお茶と水を誇る静岡だからこそ、マイボトルで給水、給茶できるスポットをもっと増やすことで、観光客にもアピールするとともに、サステナブルなまちづくりができるのでは、と、協働の可能性をポジティブに話し合って話し合いました。
公開セッションの最後には、前日の会議で策定した「Refilサミット2026静岡宣言(案)」をRefill静岡のメンバーが発表し、満場の拍手を持って採択されました。
2日間にわたる静岡でのサミットは、密度の濃い時間でした。
全国から集まった地域リフィルのメンバーが、それぞれの収穫を持ち帰り、さらに地域での活動を発展させることを期待するとともに、開催地の静岡の市民や多くの関係はにリフィルの活動への関心を持っていただいたことで、静岡でのさらなる活動の広がりが楽しみです。
ご参加いただいた皆様、ホストとして準備、運営いただいた静岡の皆様、ありがとうございました。
※公開セッションの内容のハイライトは、(一財)地球・人間環境フォーラム発行の『グローバルネット』2026年5月号に掲載の予定です。


